1200年程前から脈々と受け継がれてきた日本が世界に誇れる『茶道』の文化が危機に瀕しています。
私自身も茶道のお稽古を習い始めて6年以上経つのですが、緊急事態宣言が発出されてから一度もお稽古は再開していません。
また、私が鑑定士として勉強している本郷美術骨董館でもお茶を辞めたとのことで、お茶碗・釜などの御道具をお持ち込み、買取依頼されている方も増えています。
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原因は3つ
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■茶室という3密空間
和室が四畳半という基準になったのは茶室からと言われています。
春夏秋冬と土用という季節になぞられ四畳半という概念が生まれました。
お稽古ではそこに亭主を含め4人で、どうしても密になります。
さらに、茶話という、お話を楽しむ時間もあります。
戦国時代では織田信長、豊臣秀吉など、名だたる戦国武将が茶の湯を愛し、茶室でどのような密談が行われたのだろうか、
どのようなお道具に魅了されたのだろうか、と妄想するのも、歴史好きな私の楽しみでもあります。
■茶道人口の高齢化
さらに、高齢化している先生や生徒さんが怖がってお稽古に出てこない。
さらにこのコロナ渦で家の中で過ごす時間が増え足腰が弱り、正座ができなくなって茶道を嗜むことが出来なくなってしまった方も多いです。
■回し飲みという作法
さらに濃茶という御点前では一つの茶碗を回し飲む作法があります。
『一期一会の場を共に分かち合う』という意味合いがあります。
茶道は日本が世界に誇れる伝統文化です。
陶芸家・第十一代 大樋長左衛門さんはニューヨークのメトロポリタン美術館で行われた茶道のデモンストレーションを見た際に、そこに展示されている現代アートより、茶道が現代アートに見え、そこで茶道が現代に息づくアートならば、正面から取り組める、と確信したのだそうです。
コロナに負けず、茶道文化がこの先も日本で大事に伝承されていくよう、願いたいですし、
私もその魅力を伝えていければと思います。
<吉村民の鑑定日記より引用>