本郷美術骨董館 コラム

骨董品・古美術の買取りなら、東大前で40年の実績 本郷美術骨董館

【売るなら今?】コロナ禍で美術骨董品市場が活況!?

美術業界では知られている収集家がポツリと言い放った。
『コロナでお金使う所がなくて困っちゃったよ。人生、この先長くないのにさ』

今、美術品、骨董品市場が活況だ。

2000年頃から約20年間、高齢化社会に伴い、美術骨董品を売却する動きが大きかった。
さらに終活ブーム、断捨離ブーム、自然災害への不安等によって近年は加速していた。

ひどい時にはデパートで買った金額の1/10まで下がっている物もあった。
ただしここ数年、値下がり続けていた美術骨董品市場に下げ止まり傾向が見えてきた。

<2010-2020の動産市場の成長率>
<2010-2020の動産市場の成長率>

新たなニューリッチによる市場への参入、コロナ禍による株式市場に連動して、金余り現象が美術骨董品市場にも連鎖し、流れてきていると思われる。

またこのコロナ禍で日本はもちろん、全世界で家での過ごす時間が増えた。

中国人を筆頭に、日本美術の素晴らしさ、詫び寂びの世界観、精神性等、日本文化の素晴らしさに世界が気が付き始めていると言えよう。

特に人気が草間彌生、奈良美智をはじめとする日本現代アートだ。

古美術と現代美術の売買シェア率
<古美術と現代美術の売買シェア率>

上記グラフの通り2019年頃から古美術、近代美術は縮小、現代アート市場は拡大している。

さらに、このコロナ禍で象徴的なのは新興国、特に亜熱帯地域の《富裕層》の購買意欲だ。

アート販売のECサイトでは、タイ・フィリピン・インドネシア等、今までに見られなかった地域からの問い合わせ・購入者が増えている。

アート業界では長年、気候が温暖な国・地域ではアート作家・収集家(コレクター) 共に育たないと言われてきた。理由は単純で、気候が温暖で 家の中に居る時間よりも、外で過ごす時間が多いから、室内装飾・インテリアに関心が向かないからだ。

ただし今回のコロナ禍は違う。

感染を恐れ、特に富裕層は半ば強制的に家で過ごす時間が世界的に増えたことによって、アートへの関心が高まり、かつ、値上がり期待も相まって購入動機に拍車がかかったと思われる。

しかも日本人アーティストは彼らにとって、とても神秘的に映るという意見は多い。

この様な先行き不透明な時こそ、お気に入りの絵画、また家族代々伝わったお宝等、一度、鑑定、そして現在の時価評価査定を依頼することを奨める。